Sunday, August 28, 2016

アイスランドの発電所が生み出す観光資源

日本から遠く離れたアイスランドに来て1週間が経った頃、大学のオリエンテーションで初めて地熱発電所を訪れました。

ヘトリスヘイジ発電所で一般公開されている地熱エネルギー展示(Geothermal Energy Exhibition)



このヘトリスヘイジ地熱発電所(Hellisheidi Geothermal Power Plant)では施設の一部を地熱エネルギー展示(Geothermal Energy Exhibition)として一般公開しており、ガイドの方が発電施設の解説をしてくださいました。


この発電施設は日本製だとガイドの方から説明があり、日本から贈呈されたという兜などが展示されていて、異国の地に来てからの不安や緊張が少し和らぎました。


展示品をよく見てみると三菱重工製ということがわかり、アイスランドの主なエネルギー源である地熱の利用は、日本の技術によって実現したんだと誇らしくなりました。


その後は地熱の蒸気を間近で見れるとバルコニーに案内され、地熱の蒸気に満たされた空間で大地の香りを感じることができ、これが地中深くから出てきているのかと思うとわくわくしました。


その後は三菱重工製の発電施設の模型や地熱発電の仕組みなど、様々な展示を自由に見学させていただきました。


アイスランドに来た最大の理由は地熱エネルギーについて学び、地熱利用を普及させた手法を日本に応用できればと考えていましたが、その地熱発電が日本によって支えられているとは思いもよりませんでした。

地中深くから出てきた蒸気でタービンを回して電気を生み出すという、夢のある技術を日本が先導しているというのは非常に誇りですし、アイスランドというと自然に惹かれてお越しになる方が多いかと思いますが、こうした自然を活用した技術というのも一つの見どころだなと感じました。

ツアーもありますしレンタカーでもアクセス可能ですので、異国の地で日本を感じることができるこちらの地熱発電所にも、興味があればぜひ足を運んでみてください。


そして大学の講義でもフィールドトリップがあり、アイスランド有数の観光資源を生み出す地熱発電所を訪れました。

ブルーラグーンの温泉を生み出すスヴァルスエインギ地熱発電所(Svartsengi Geothermal Power Plant)




このスヴァルスエインギ地熱発電所(Svartsengi Geothermal Power Plant)は電気だけでなく熱水も供給する世界初の熱電供給地熱発電所です。

今やアイスランドの温水と暖房はほぼ全て地下から出てくる熱水、つまり地熱でまかなわれているため、家やホテルでシャワーを浴びると硫黄の匂いがして、温泉気分を味わうことができます。

この発電所で使用した熱水はブルーラグーンに供給されており、発電所から排出される二酸化炭素はメタノールに変換され燃料などに利用されます。


最初に従業員の方がパネルを使ってシステムについて説明してくださり、その後パイプの断面やタービンの構造などを見学しました。



終盤にはタコの絵が描かれたOctopusという赤い発電設備を見学しましたが、よく見ると小さくカタカナで「オクトパス」と書かれていました。


多数の排気管にちなんでオクトパスと名付けられたこちらの設備は何と富士電機製だそうで、ここでも日本の高い技術力を垣間見ることができました。


ここで写真に写っている発電所から排出されている蒸気を通り抜けるという面白い体験をさせていただき、目の前が真っ白になるほどの蒸気と硫黄の匂いに包まれ、日本の温泉地を思い出して懐かしくなりました。


ブルーラグーンのルーツともいえるこちらの発電所を見学させていただき、地熱開発から新たな観光資源を生み出すアイスランドの手法に感心し、これを日本にも応用できればもっと地熱開発が普及するのではないかと思いました。

それと同時に、遠く離れたアイスランドの地熱開発を支える日本の発電技術を改めて誇りに感じ、アイスランド有数の観光施設であるブルーラグーンに日本も貢献しているんだと思うと嬉しくなりました。

アイスランドの大地の恵みと日本の技術の結晶が生み出したブルーラグーンにも、興味があればぜひツアーやレンタカーなどで足を運んでみてください。



にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村